士業の経費でよく出るものには、書籍代、研修費、資格更新費、会費、通信費、自宅兼事務所の費用などがあります。
飲食店や小売業のような仕入は少ない一方で、業務に必要な知識や情報を得るための支出が多くなりやすいのが士業の特徴です。
税理士、司法書士、社労士、行政書士などの士業では、どこまでが必要経費で、どこからがプライベートなのか、感覚的につかみにくい支出もあります。
この記事では、士業の方に比較的よく出てくる経費を、実務で迷いやすいポイントも含めて整理します。
士業に限らず、経費の判断ではまず「事業に関係しているか」「説明できるか」という基本の考え方を押さえておくと整理しやすいです。
経費になる?ならない?迷ったときに持っておきたい判断基準
士業は「知識」や「情報」にお金がかかりやすい
士業の仕事は、知識や情報そのものがサービスの土台になりやすいです。
たとえば、次のような支出は、士業の経費として比較的よく出てきます。
- 書籍代
- 研修参加費
- セミナー参加費
- 資格更新費用
- 専門誌や有料データベースの利用料
これらは、業務に直接関係する内容であれば、必要経費として考えやすいものです。
実務でも、士業は新しい制度や実務の動きを追う必要があるため、こうした支出は比較的よく出てきます。
一方で、仕事と関係の薄い書籍や、趣味目的のセミナーまでそのまま必要経費にできるわけではありません。
必要経費になるかどうかは、仕事との関係が説明できるかで考えていくのが基本です。必要経費は事業の収入を得るために必要な費用が中心で、個人的な支出は含まれません。
士業では、書籍、研修、会費、業務ソフトなど、一般的な業種とは少し違う支出が出やすいため、士業向けの前提で整理しておくと進めやすいです。
士業のための「会計・税務・業務のサポート窓口」
士業の事務所運営でよく出る経費
士業の方に比較的よく出てくる経費としては、次のようなものがあります。
- 所属会や団体の会費
- 事務所家賃
- 業務ソフトやクラウドサービスの利用料
- 損害賠償に備える保険料
- 事務員の給与や社会保険料
- 郵送費、電話代、インターネット料金
- 封筒、コピー用紙、筆記用具などの消耗品費
- 打合せ時の会議費
- 得意先との関係で発生する交際費
- 契約書の印紙代などの租税公課
このあたりは、事務所を運営していく中で比較的イメージしやすい経費です。
ただし、同じ名前の支出でも、内容によっては必要経費にならないことがあります。
たとえば、交際費のように見えても、実際は私的な支出であれば、そのまま経費にはしにくいです。
実際に会計ソフトへ入れるときは、経費の中身だけでなく、どの勘定科目で整理するかもあわせて決めておくと迷いにくくなります。
個人事業主・フリーランスが押さえておきたい勘定科目の使い方|損益計算書編
士業で迷いやすいのは「事業と私用が混ざる支出」
士業の方は、自宅で仕事をしたり、もともと私用で使っていたスマートフォンやインターネットを仕事にも使ったりすることがあります。
こうした、事業とプライベートの両方にまたがる費用は、税務上「家事関連費」として考える場面があります。
国税庁でも、店舗併用住宅の家賃や水道光熱費などのように、家事上と業務上の両方に関わる費用があること、そのうち必要経費にできるのは、取引の記録などに基づいて業務上直接必要だったことが明らかに区分できる金額に限られると案内しています。
つまり、仕事にも使っているからといって、すべてを経費にできるわけではありません。
事業で使っている部分と、プライベートで使っている部分を分けて考える必要があります。
事業利用とプライベート利用が混ざる支出は、按分の考え方や記録の残し方で判断が分かれることがあります。
どこまでが経費になるか迷う場合は、単発の税務相談でも整理できます。
士業の自宅兼事務所・通信費は按分が必要
たとえば、次のようなものは士業の方でもよく相談があります。
- 自宅兼事務所の家賃
- 自宅のインターネット料金
- スマートフォン料金
- 水道光熱費
こうしたものは、仕事に使っている部分があれば、全額ではなく、事業に使っている部分だけを必要経費にしていく考え方になります。
一律に「7割ならOK」「半分ならOK」と決めるのではなく、使用時間、使用日数、使用面積など、その支出に合った基準で説明できるようにしておくことが大切です。
たとえば、自宅兼事務所の家賃であれば、仕事で使っているスペースの面積をもとに考えることがあります。
インターネット料金やスマートフォン料金であれば、業務で使う頻度や使用時間をもとに、無理のない割合を決めておくと説明しやすくなります。
自宅兼事務所の家賃や通信費のように、事業と私用が混ざりやすい支出は、初めての確定申告で特に迷いやすいポイントです。
初めての確定申告で間違えやすいこと|一度は税理士に確認しておきたいポイント
士業の経費は「業務との関係が説明できるか」が大事
士業の経費は、飲食店の材料費のように分かりやすいものばかりではありません。
その分、次のような点を説明できることが大切です。
- 仕事のために必要だったか
- 私用分が混ざっていないか
- 混ざっているなら、どう分けたか
特に士業の方は、次のような支出で迷いやすいことが多いです。
- 書籍や研修
- 会費やシステム代
- 自宅兼事務所の費用
- 通信費
「同業の誰かが入れていたから」ではなく、自分の事業との関係で整理しておくと、後から見返したときにも分かりやすくなります。
経費の判断に迷うことがあれば、士業専門の窓口からご相談いただけます。
士業のための「会計・税務・業務のサポート窓口」
まとめ
士業の経費としてよく出てくるものは、次の3つに分けて考えると整理しやすいです。
- 知識や情報のための支出
- 事務所運営のための支出
- 事業と私用が混ざりやすい支出
特に士業は、仕事とプライベートの境目が分かりにくい支出も出やすいため、仕事との関係を説明できるか、私用分をどう分けたかを意識しておくことが大切です。
士業の経費は、一般的な業種よりも説明の仕方や按分の考え方が大事になる場面があります。
一度ルールを整理しておくと、確定申告や決算のときに慌てにくくなります。
経費の判断や家事按分の考え方で迷っている方は、税務相談・コンサルティング相談をご利用ください。
士業ならではの支出や、クラウド会計での整理の仕方も含めて、実務に合わせて確認しています。
士業の経費・記録の残し方に迷ったら
士業の経費は、書籍・会費・研修費・交際費・PCやクラウドサービスなど、業務との関係性で判断が分かれるものが多くあります。
経費になるかどうかだけでなく、勘定科目・税区分・証憑の残し方まで含めて整理しておくと、後から説明しやすくなります。
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