扶養控除等申告書は入社時に必要?給与計算で困らないための基本を解説

所得税

扶養控除等申告書は、社員やアルバイトを採用したときに、給与計算と源泉徴収の区分を確認するための大切な書類です。

入社時に回収していないと、給与計算で甲欄を使ってよいのか、乙欄で計算すべきなのか迷いやすくなります。

特に、ダブルワークの方を雇う場合や、クラウド給与ソフトを使っている場合は、最初の確認と設定が大切です。

この記事では、扶養控除等申告書を入社時に書いてもらう理由、提出がない場合の扱い、会社側で漏れを防ぐための実務ポイントをわかりやすく整理します。

給与まわりは、扶養控除等申告書の回収だけでなく、源泉所得税をいつ納付するかまで含めて整理しておくと進めやすくなります。
あわせて、設立後最初の源泉徴収や納期の特例について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
設立後最初の源泉徴収に注意|納期の特例はいつから使える?


入社時に扶養控除等申告書を書いてもらう理由

扶養控除等申告書は、給与から天引きする源泉所得税の計算に関わる書類です。

給与計算ソフトを使っていると自動で税額が出るため、この書類の役割を意識しにくいかもしれません。
ただ、ソフトの中でも、どの区分で源泉徴収するかという前提が必要になります。

その前提のひとつになるのが、扶養控除等申告書の提出です。

入社時にこの書類を回収していないと、給与計算の区分に迷いやすくなります。
しかも、後から確認しようとしても、すでに退職していて連絡が取りにくいこともあります。

そのため、扶養控除等申告書は、入社時の書類として最初にそろえておきたいもののひとつです。


扶養控除等申告書がないとどうなる?

人を雇うタイミングでは、扶養控除等申告書だけでなく、源泉税、給与計算、年末調整まで一気に論点が増えやすいです。
「そもそも、どのタイミングで税理士に相談すればよいか」を整理したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
どんなタイミングで税理士へ相談したらいい?個人事業主・小さな会社の相談時期を解説

原則として甲欄は使えない

扶養控除等申告書の提出がない場合、給与の源泉徴収では原則として乙欄で計算することになります。

甲欄と乙欄では、源泉徴収される税額が変わることがあります。
そのため、扶養控除等申告書を受け取っていないのに甲欄で処理してしまうと、税額が不足し、後で修正や追加納付が必要になる可能性があります。

給与計算ソフトを使っていても、最初の設定や従業員情報の登録があいまいだと、実務上のミスにつながりやすいところです。

ダブルワークの方は特に確認が必要

扶養控除等申告書は、原則として1か所の勤務先にしか提出できません。

そのため、ダブルワークの方を採用する場合には、

・どの勤務先に扶養控除等申告書を提出しているか
・自社では甲欄で計算するのか、乙欄で計算するのか

を入社時に確認しておくことが大切です。

すでに別の勤務先に提出している方や、自社が主たる給与の支払先ではない場合には、自社には提出しないケースがあります。

会社側では「全員に必ず出してもらう」というよりも、本人がどの勤務先に提出するのかを確認し、提出がない場合には乙欄で源泉徴収する必要があるかを確認しましょう。

いつまでに書いてもらえばいい?

中途採用の場合は、就職後に最初の給与の支払いを受ける日の前日までに提出してもらうのが基本です。

実務上は、給与計算が始まってから慌てないように、入社書類とあわせて最初に回収する形にしておくのがおすすめです。

あとでお願いしようと思っていると、

  • 本人に確認する手間が増える
  • 給与ソフトへの登録が遅れる
  • 他の入社手続きに埋もれて漏れる

といったことが起こりやすくなります。

入社時の流れの中に組み込んでおくと、回収漏れを防ぎやすくなります。


扶養控除等申告書には何を書く?

扶養控除等申告書には、氏名・住所・生年月日などの基本情報のほか、扶養親族等に関する情報を記載します。

この内容は、給与の源泉徴収で使う区分や、年末調整にも関わってきます。

そのため、入社時には「とりあえず名前だけ書いてもらえばよい」というものではなく、必要な欄が埋まっているかを会社側でも確認しておくことが大切です。

記入する本人にとっても分かりにくい部分があるため、必要に応じて確認しながら進められるようにしておくと、後からの手戻りを減らしやすくなります。


内容に変更があったときはどうする?

扶養親族の状況は、年の途中で変わることがあります。

たとえば、

  • 結婚した
  • 扶養する家族が増えた
  • 働き方が変わった

といったケースです。

こうした変更があると、源泉徴収の計算に影響することがあります。
そのため、入社時に提出して終わりではなく、内容に変更があったときの連絡方法もあわせて決めておくと安心です。

年末調整で最終的に精算されることはありますが、毎月の給与計算をできるだけスムーズに進めるためにも、変更時の運用を整えておくことが大切です。


会社での保管も必要

扶養控除等申告書は、会社で保管しておく必要がある書類です。

普段は税務署へ都度提出するものではありませんが、税務調査などで確認されることがあります。
そのため、「書いてもらったつもり」「どこかにあるはず」という状態ではなく、入社書類の保管ルールの中にきちんと組み込んでおきたいところです。

紙で保管するのか、データ管理とどう連動させるのかも含めて、会社ごとの運用を決めておくと漏れにくくなります。


こうしておくと漏れにくい

扶養控除等申告書の漏れを防ぐには、入社時の流れをまとめておくのが効果的です。

たとえば、

  • 入社時チェックリストを作る
  • 回収する書類を一覧化する
  • 給与ソフトへの登録前に確認する
  • ダブルワークかどうかを最初に聞く

といった形です。

クラウドサービスを使えば、入社時に必要な情報を本人に入力してもらいやすくなることもあります。
ただ、ソフトを入れるだけで解決するわけではなく、どのタイミングで何を確認するかという運用を決めておくことが大切です。

入社時の書類回収は、ソフトを入れるだけで整うというより、どのタイミングで何を確認するかを決めておくと漏れにくくなります。
入社時の書類や給与計算の流れを一度整理したい場合は、税務相談・コンサルティング相談でも確認できます。
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まとめ

扶養控除等申告書は、入社時に回収しておきたい大切な書類のひとつです。

特に、

  • 給与計算を社内で行っている
  • アルバイトやパートの入退社が多い
  • ダブルワークの方を採用することがある
  • クラウド給与ソフトを使っているが、運用ルールが曖昧

といった場合には、一度流れを見直しておくと安心です。

給与計算や入社書類まわりは、細かい部分でつまずきやすいところです。
扶養控除等申告書も含めて、入社時の流れを整えておくと、後からの手戻りを減らしやすくなります。

社員やアルバイトを雇うと、扶養控除等申告書だけでなく、給与計算、源泉所得税、年末調整など、確認しておきたいことが増えてきます。

山川喜彰税理士事務所では、個人事業主・小さな会社の方向けに、税務相談や税務顧問、クラウド会計・給与ソフトの運用整理まで対応しています。

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