銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、自動で仕訳の候補を作る。クラウド会計を使うと、入力の手間を減らせます。
ただ、自動で処理されるようになっても、人が確認した方がよいところは残ります。
この記事では、自動で処理されていても当事務所が確認しているところと、自動に任せやすい取引・人が見る取引の分け方についてお伝えします。
結論:自動で処理する取引と、人が確認する取引を分ける
クラウド会計の自動化で大事なのは、すべてを自動にすることではありません。
「自動で処理してよい取引」と「人が確認する取引」を分けておいた方が、結果として経理は安定して回ると考えています。
自動で処理されていても、人が確認している3つのところ
実際の残高と、会計上の残高
まず、通帳などの実際の残高と、会計上の残高が合っているかを確認します。
自動連携を使っていても、何かの拍子に取込対象外や除外の処理がされていると、会計上の残高が実際の残高と合わなくなることがあるためです。
取引の内容と勘定科目
取引の内容と勘定科目が合っているかも確認します。
自動で候補として出てくる勘定科目が、その会社の実際の取引や、これまでの処理方法に合っているとは限りません。そのため、取引内容と勘定科目が合っているかは人が確認します。
消費税の区分
消費税の区分も確認します。
銀行口座やクレジットカードの明細情報だけでは、インボイスの有無や適用税率まで確認できないことがあるため、証憑も確認します。
OCR(画像から文字を読み取る機能)などで証憑そのものを読み取っている場合には、税率などが正しく入っていることもあります。ただ、その場合でも内容の確認は必要だと考えています。
自動に任せやすい取引、人が見る取引
自動処理と相性がよい取引
毎月同じ相手に、同じような内容・金額で支払うものは、自動処理と相性がよいと思います。例えば、サブスクリプションや家賃などです。
最初は人が見る取引
初めての取引先については、次のような点を最初に確認・設定することが多いため、そのまま自動に任せることはしません。
- 勘定科目
- 消費税区分
- インボイスの確認
- 補助科目
固定したルールだけで処理しない取引
飲食店・コンビニ・スーパーなどは、同じ取引先でも購入内容によって消費税率などが変わることがあります。そのため、固定したルールだけで処理しないようにしています。
自動仕訳ルールをどう作り、どう見直すかについては、自動仕訳ルールの見直しで、経理チェックの手間はどこまで減らせるで詳しく整理しています。
定型化しやすい事業もある
業種だけで決まるわけではありませんが、取引の種類や相手先がある程度固定されている場合は、定型化しやすくなります。
実務の中では、次のような場合は比較的定型化しやすいと感じています。
- 不動産賃貸業のように、発生する取引の種類がある程度決まっている場合
- 飲食店でも、仕入先がある程度固定されている場合
自動化を入れたのに、うまく回らなくなる場面
自動仕訳ルールを使っていても、同じ内容の取引なのに摘要の書き方が違ったり、半角と全角が混ざっていたりすると、同じルールで処理しにくくなることがあります。
自動化の設定を増やすだけではなく、入力される情報や表記をある程度そろえることも大事です。
このような、自動化しても手間が減らないパターンは、クラウド会計を入れたのに経理が楽にならない理由でもまとめています。
まとめ
- 自動で処理されていても、実際の残高と会計上の残高、取引の内容と勘定科目、消費税の区分は人が確認する
- 毎月同じ相手・内容・金額の取引は、自動処理と相性がよい
- 初めての取引先や、購入内容で税率が変わる取引は、人が見る
- 自動化の設定を増やすだけでなく、入力される情報や表記をそろえる
クラウド会計は、入れること自体が目的ではありません。自動処理できるところと人が確認するところを分けて、運用として無理なく回る状態を作ることが大切だと考えています。
クラウド会計の使い方や、日々の経理の流れの整え方については、クラウド会計サポートのページでご案内しています。
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