グループ会社の間で、片方の会社が経費を立て替えたり、一時的にお金を貸したりすることがあります。ところが決算のときに、A社の帳簿では「B社に貸している」のに、B社の帳簿では金額が違う、あるいは何も残っていない。そんな食い違いが見つかることがあります。
先に結論をお伝えします。
当事務所では、原則として両社をセットで確認します。まず、相手の会社に対する残高が両社で一致しているかを確かめ、合わなければ期首からの会社間の取引を日付順に並べて、どこでずれたのかを探します。何のためのお金なのかは、取引が起きたときに分かるようにしておきます。
会社間の残高は、両社で対になっている
A社がB社の経費を立て替えたなら、A社には「B社から返してもらう分」が、B社には「A社に返す分」が残るはずです。会社間の残高は、両社で対になっています。
そのため、片方の会社だけを見て直しても、解決したことにはなりません。片方に立替金や貸付金が残っているなら、相手の会社にも対応する残高があるはずだからです。
1. まず、両社の残高が一致しているかを見る
最初に見るのは、両社で相手の会社に対する残高が一致しているかです。
| A社の帳簿 | B社の帳簿 | 状態 |
|---|---|---|
| B社に対する立替・貸付の残高 | A社に対する未払・借入の残高 | 対応する残高が一致しているかを確認する |
一致していれば、この時点での問題はありません。一致していなければ、次の手順でずれを探します。
2. 合わなければ、期首から日付順に並べる
合わないときは、期首の残高からその月までの会社間の取引を、両社分とも日付順に並べます。そのうえで、次のような取引がないかを確かめます。
- 片方の会社にしか入っていない取引
- 金額や日付が両社で違う取引
- 精算したのに、残高が消えていない取引
当月の数字だけを見るより、期首から順に並べたほうが、どこでずれ始めたかが分かります。
合わなくなる原因で多いもの
合わなくなる原因で多いのは、次のようなケースです。
- 片方の会社だけ入力していて、相手の会社に入っていない
- 精算の銀行振込だけを処理して、元の立替を消していない
たとえば、立て替えた分をあとで振り込んで精算したとき、振込は入力したのに、元の立替の残高と結びつけていないと、残高が消えずに残り続けます。
避けたい運用
いちばん避けたいのは、会社の間でお金を払ったり立て替えたりしているのに、何のためのお金なのか分からないまま、残高だけが積み上がっていくことです。
立替なのか、一時的な貸し借りなのか、通常の会社間の取引なのかは、取引が起きたときに分かるようにしておいたほうがいいです。あとから思い出そうとすると、確かめるのに時間がかかります。
使う勘定科目は取引の内容によって変わるので、「会社間なら必ずこの科目」とは決めていません。それよりも、同じ取引について、両社で対応関係が分かるようにしておくことを大事にしています。
長く残っている残高は、毎月確認する
長い間残っている会社間の残高は、そのままにせず毎月確認します。
- 精算するものなら、精算する
- 残すものなら、何の残高なのか説明できる状態にしておく
会社間の取引があること自体が問題なのではありません。中身が説明できない残高を残さないことが大切です。
複数の会社の経理を1人で担当しているときの分け方は、複数の会社の経理を1人で担当している会社へにまとめています。
当事務所で複数の会社を見るとき
当事務所では、複数の会社の月次で、会社間の残高が両社で合っているかを確認しています。合わない場合は、片方だけを直すのではなく、両社の取引を並べて原因を確かめてから直します。
まとめ
- 会社間の残高は両社で対になっている。原則として両社をセットで確認する
- まず、相手の会社に対する残高が両社で一致しているかを確かめる
- 合わなければ、期首から日付順に並べ、片方だけの取引・金額や日付の違い・消えていない精算を探す
- 何のためのお金かは、取引が起きたときに分かるようにしておく
- 長く残っている残高は毎月確認し、精算するか、説明できる状態にする
グループ会社の間の立て替えや貸し借りが合わずに困っている方は、一度ご相談ください。両社の帳簿を並べて、ずれの原因を一緒に確かめます。初回相談は1時間無料です。
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