社長が2社、3社と会社を持っていて、経理は社長か担当者が1人でまとめて見ている。そうなると、この領収書はどちらの会社のものか、この振込はどの会社の口座から出したのか、分からなくなる場面が出てきます。
先に結論をお伝えします。
複数の会社の経理を1人で担当するときは、口座・カード・会計データ・証憑を会社ごとに分け、処理は1社ずつ進めます。そのうえで、「どの会社が払ったか」と「どの会社の費用か」を分けて見ることが、取り違えを防ぐいちばんのポイントです。
取り違えが起きやすいのは、同じ社長が複数の会社を持っているとき
取り違えが起きやすいのは、同じ社長が複数の会社を持ち、同じカードや同じ取引先を使っている場合です。
- 同じ取引先から、複数の会社あてに請求書が届く
- 社長が使いやすいカードで、どの会社の支払いもしてしまう
- 請求書の宛名と、実際にその支出が必要だった会社が違う
請求書の宛名だけを見て処理すると、間違えることがあります。実際にどの会社の事業のための支出なのかまで確かめないと、分からないことがあるからです。
会社ごとに分けておくもの
まずは、次の4つを会社ごとに分けます。
| 分けるもの | ポイント |
|---|---|
| 銀行口座 | どの会社の口座か、最初にはっきりさせておく |
| カード | どの会社のカードか、引き落とし口座とあわせて明確にする |
| 会計データ | 会社ごとに別のデータで管理する |
| 証憑(請求書・領収書) | 保管場所を会社ごとに分ける |
特に口座とカードは、最初にどの会社のものかを明確にしておくことが大事です。ここがあいまいだと、あとから1件ずつ確かめることになります。
処理は1社ずつ進める
経理の作業をするときは、複数の会社を行ったり来たりするより、1社ずつ処理するほうが取り違えにくくなります。
1社の入力を進めたら、その会社の残高の確認まである程度終えてから、次の会社へ進みます。途中で別の会社に切り替えると、どこまで終わったか、どちらの会社に入力したかが分かりにくくなります。
「払った会社」と「費用の会社」を分けて見る
複数の会社を持っていると、お金を払った会社と、その費用を負担すべき会社が同じとは限りません。
たとえば、A社のカードで、本当はB社の事業のための支払いをしてしまうことがあります。このとき、A社の明細に出てきたからといって、A社の経費にしてしまうと、A社とB社の両方の数字がずれます。
そのため、明細を見るときは次の2つを分けて考えます。
- どの会社が払ったか(口座・カード・引き落とし元)
- どの会社の費用か(実際にどの会社の事業のための支出か)
この2つが違う場合は、会社の間の立替として整理することがあります。ただし、取引の内容によって扱いは変わるため、両社で対応関係が分かるようにしたうえで確認します。会社の間の残高を両社の帳簿でどう合わせるかは、グループ会社の間でお金を立て替えたとき、両方の帳簿をどう合わせる?にまとめています。
当事務所で複数の会社を見るとき
当事務所で複数の会社の月次を見るときは、次の点を確認しています。
- 口座やカードの支払元と、実際に費用を負担すべき会社が違っていないか
- 会社の間で立て替えや貸し借りがあれば、その残高が両社で合っているか
特に同じ社長が複数の会社を持っている場合は、「お金を払った会社=費用の会社」とは限らないので、そこを分けて見るようにしています。
まとめ
- 口座・カード・会計データ・証憑は会社ごとに分ける。特に口座とカードは最初に明確にする
- 処理は1社ずつ進め、確認まで終えてから次の会社へ
- 宛名だけでなく、実際にどの会社の事業のための支出かを確かめる
- 「どの会社が払ったか」と「どの会社の費用か」を分けて見る
- 違う場合は取引の内容を確認し、両社の対応する残高が合っているかを確かめる
複数の会社を持っていて、経理がどの会社のものか分かりにくくなっている方は、一度ご相談ください。会社ごとの分け方から、会社の間の残高の確認まで一緒に整理します。初回相談は1時間無料です。
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