複数の会社を持っていると、手元にある1枚のカードで、ほかの会社の支払いもしてしまうことがあります。月末にカードの明細を見たら、A社のカードにB社の経費が混ざっている。これをどう処理すればいいのか、迷う方は少なくありません。
先に結論をお伝えします。
まずカードの名義と引き落とし口座を確かめ、明細ごとに「実際にはどの会社の費用か」を分けます。カードの会社以外の費用は、カードの会社の経費として残しません。取引の内容を確認したうえで、カードの会社では相手の会社への立替や貸し借りとして、費用の会社では自社の費用と相手の会社への債務が分かる形で残し、あとで会社の間で精算します。
カードの明細だけで、全部その会社の経費にしない
いちばん大事なのは、カードの明細に出てきたからといって、全部をそのカードの会社の経費にしないことです。
カードの明細から分かるのは、「どの会社のカードで払ったか」です。「どの会社の費用か」は、明細だけでは分かりません。実際にどの会社の事業のための支出だったのかを確かめる必要があります。
1. カードの名義と引き落とし口座を確かめる
最初に、そのカードがどの会社の名義で、どの会社の口座から引き落とされるのかを確かめます。これが「払った会社」です。
2. 明細ごとに、どの会社の費用かを分ける
次に、明細を1件ずつ見て、実際にはどの会社の費用なのかを分けます。
| 明細 | 確かめること |
|---|---|
| カードの会社の費用 | そのまま、カードの会社の経費として処理する |
| ほかの会社の費用 | どの会社の事業のための支出か。証憑(領収書・請求書)とあわせて確かめる |
| どちらか分からないもの | 推測で決めず、使った人に確認する |
3. 2つの会社の帳簿に、対になる形で残す
たとえば、A社のカードでB社の費用を払ってしまい、立替として整理する場合は、次のように残します。
| 会社 | 帳簿に残すもの |
|---|---|
| A社(カードの会社) | B社の分を立て替えた(B社から返してもらう分)として残す。A社の経費にはしない |
| B社(費用の会社) | 自社の費用として計上し、A社に返す分があることが分かる形にする |
こうしておくと、A社とB社の両方で、何をいくら立て替えたのかが対になって残ります。どう整理するか、どの勘定科目を使うかは、取引の内容によって変わります。どの形にする場合も、両社で対応関係が分かるようにしておくことが大切です。
4. あとで会社の間で精算する
立て替えた分は、あとで会社の間で精算します。精算したら、両社に残していた立替の残高も消します。
精算の振込だけを処理して、元の立替の残高を消し忘れると、残高が残り続けます。会社の間の残高が両社で合っているかの確かめ方は、グループ会社の間でお金を立て替えたとき、両方の帳簿をどう合わせる?にまとめています。
カードは会社ごとに分けたほうが分かりやすい
運用としては、会社ごとにカードを分けたほうが、明細を分ける手間は減ります。ただ、事情があって1枚のカードを使うこともあると思います。その場合も、ここまでの順番で整理すれば、どの会社の費用かを説明できる帳簿にできます。
法人カードを作ったときに決めておくことは、法人カードを作った最初の月に決めておくことにまとめています。
当事務所で複数の会社を見るとき
当事務所では、複数の会社の月次で、カードや口座の支払元と、実際に費用を負担すべき会社が違っていないかを確認しています。同じ社長が複数の会社を持っている場合は、「お金を払った会社=費用の会社」とは限らないので、そこを分けて見ています。
まとめ
- カードの明細だけで、全部そのカードの会社の経費にしない
- まずカードの名義と引き落とし口座を確かめ、明細ごとにどの会社の費用かを分ける
- ほかの会社の費用は、カードの会社の経費にせず、取引の内容に応じて両社で対応関係が分かる形に残す
- あとで会社の間で精算し、精算したら両社の立替の残高も消す
- 分からない明細は推測で決めず、使った人に確認する
複数の会社でカードの使い方が混ざってしまい、整理に困っている方は、一度ご相談ください。明細の分け方から、会社の間の精算まで一緒に整理します。初回相談は1時間無料です。
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