補助科目・品目・タグはどう分ける?あとで説明できる帳簿のための設計

補助科目とタグの分け方 バックオフィス

会計ソフトには、勘定科目の下にさらに細かく分ける仕組みがいくつもあります。マネーフォワードなら補助科目や部門、freeeなら取引先・品目・部門・メモタグなどです。

便利な反面、「どれを使えばいいのか分からない」「人によって付け方がばらばらで、あとで見ても分からない」という声もよく聞きます。

この記事では、補助科目・品目・タグを何のために分けるのか、どう決めていくとあとで説明できる帳簿になるのかをお伝えします。freeeのタグの整理の仕方そのものは、freeeに乗り換えたのに使いづらいと感じるとき、見直したいタグ設定の話で扱っているので、ここでは「何をどれで分けるか」の設計の考え方に絞ります。

結論:先に「何を分けたいか」を決めてから、道具を選ぶ

  • 補助科目・品目・タグは、分けたい目的から選ぶ
  • 目的は、おおむね次の3つに分かれる
  • 残高を追いたい(どの口座・どの相手先にいくら残っているか)
  • 中身を見たい(同じ科目の中で何にいくら使ったか)
  • 集計したい(事業・店舗・案件ごとの損益)
  • 残高を追うものは、あとから直すと手間が大きいので最初に決める
  • 増やしすぎない。使わない分け方は作らない

補助科目・品目・タグの役割の違い

ソフトによって名前と機能が違うため、まず大まかな違いを整理します。

分けたいことマネーフォワードfreee
残高を追う(口座・相手先ごと)補助科目口座の登録、取引先タグ
中身を見る(何に使ったか)補助科目品目タグ
事業・店舗ごとに集計する部門部門タグ
一時的な目印摘要・仕訳メモメモタグ

マネーフォワードでは、預金口座も補助科目で分けて管理します。そのため補助科目は「残高を追う」役割と「中身を見る」役割の両方を持ちます。freeeは預金を口座として登録し、取引先や品目はタグで付ける仕組みです。

同じ「補助科目」「タグ」という言葉でも、ソフトごとに意味が少し違う点は押さえておいてください。

設計で確認する順番

残高を追う科目を先に決める

最初に決めたいのは、残高を月末に確認したい科目です。例えば次のような科目です。

  • 現金・普通預金(口座ごと)
  • 売掛金・買掛金(取引先ごと)
  • 未払金(カード会社・相手先ごと)
  • 借入金(金融機関・契約ごと)
  • 預り金(源泉所得税・住民税・社会保険料などの内容ごと)
  • 仮払金・仮受金・立替金

これらは「今いくら残っているか」を説明できないと困る科目です。月末に残高を確認するときも、内訳が分かるように分けてあるかどうかで手間が大きく変わります。

例えば借入金を1本の科目のままにしていると、同じ銀行から2本借りている場合に、どちらの返済がいくら残っているのかが帳簿から分かりません。返済予定表と照らし合わせるときに手間がかかります。

中身を見たい費用を決める

次に、費用の中で「何にいくら使ったか」を見たいものを決めます。

  • 毎月同じ相手に払うもの(家賃、サブスクリプション、通信費など)
  • 金額が大きくなりやすいもの(外注費、広告宣伝費など)
  • 消費税の区分が混ざりやすいもの

毎月発生するものを分けておくと、「先月まであった支払いが今月はない」「いつもと金額が違う」に気づきやすくなります。前月と比べたときに、支払いの抜けや二重計上も見つけやすくなります。

集計の単位は、本当に使うかで決める

部門(店舗・事業・案件)で分けると、それぞれの損益が見られます。ただ、部門を使うと入力のたびに選ぶ手間が増えます。

「経営判断に毎月使うか」「銀行や取引先に部門別の数字を出すか」を考え、使う予定がはっきりしている場合に入れる方がよいと考えています。

名前の付け方をそろえる

最後に、名前の付け方を決めます。

  • 全角・半角、スペースの有無をそろえる
  • 同じ意味の名前を2つ作らない
  • 名前だけで中身が分かるようにする

名前で中身が分かるようにしておくと、あとで帳簿を見返すときにも、社内で入力を引き継ぐときにも迷いにくくなります。

よくあるつまずき

補助科目やタグを増やしすぎる

細かく分けるほど、入力のたびに迷う場面が増えます。1回しか使わない相手先まで補助科目にすると、一覧が長くなり、選び間違いも増えます。

単発の取引まで補助科目にする必要はなく、内容が分かるように記録しておけば足りる場合も多くあります。

途中で分け方を変えて、前後が比べられない

期の途中で分け方を変えると、前の月と比べられなくなります。変える場合は、期首からそろえ直すか、切り替えた月を記録しておくと、あとで混乱しにくくなります。

自動仕訳ルールと分け方が合っていない

補助科目や品目を決めても、自動仕訳ルール(自動登録ルール)が古い設定のままだと、決めた分け方どおりに登録されません。分け方を決めたら、ルールの方も合わせて見直します。ルールの見直し方は、自動仕訳ルールの見直しで、経理チェックの手間はどこまで減らせるにまとめています。

人によって付け方が違う

社長と事務担当の方で、同じ取引に違うタグを付けていることがあります。決めたルールを短いメモにして共有しておくだけでも、ばらつきは減ります。

山川事務所ではどこまで支援するか

税務顧問の中で、勘定科目や自動仕訳ルールなど、日々の入力の土台になる設定の整理もご一緒しています。日々の入力のルールは、基本的にお客様の今の運用に合わせます。ただし、交際費など税務上継続して確認したい科目は、事務所側から補助科目や品目タグの付け方を指定することがあります。一方、売上の補助科目・品目・部門など経営管理のための分け方は、基本的にお客様が使いやすい形にお任せしています。

実際に、freeeへ乗り換えたあとタグの付け方が決まっておらず運用しづらかった会社で、タグを整理して使うルールを決め、自動取引ルールも順に見直したことがあります。

関与を始めた直後にどこから整えるかは、今の補助科目・タグの付き方を見て決めます。入力していただいた補助科目やタグも、そのまま確定とはせず、月次の確認で付け方に違和感があるものは事務所で修正または確認します。整え方の一例としては、今の一覧と実際の仕訳の付き方を見比べ、残すもの・まとめるもの・使わないものを分けるところから始める方法があります。

なお、Notionなどを使った業務システム全体の設計は、当事務所と併営するNOMADSYNC WORKS合同会社の範囲として、別にご相談を承っています。

まとめ

  • 補助科目・品目・タグは、何を分けたいかを先に決めてから選ぶ
  • 目的は「残高を追う」「中身を見る」「集計する」の3つで考える
  • 残高を追う科目(預金・売掛金・買掛金・未払金・借入金・預り金など)を最初に決める
  • 増やしすぎない。単発の取引まで細かく分ける必要はないことが多い
  • 名前の付け方をそろえ、自動仕訳ルールも合わせて見直す

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ご相談について

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