freee会計を入れて、口座やカードもつないだ。でも、毎月どこまで何をやればいいのかが決まっておらず、気づくと未処理の明細がたまっている。そんなご相談をよくいただきます。
この記事では、freee会計を使っている小さな会社が、月に1回やる作業を順番どおりに整理します。うまくいかない原因の分析はクラウド会計を入れたのに経理が楽にならない理由に、ルールの考え方は自動仕訳ルールの見直しで、経理チェックの手間はどこまで減らせるにまとめているので、ここでは「毎月の手順」に絞ります。
画面の名前はfreeeのヘルプセンターの表記に合わせていますが、プランや画面の更新で表示が変わることがあります。
結論:毎月やることは、この6つ
- 口座・カードの明細が取り込めているか確認する
- 領収書・請求書をファイルボックスに入れる
- 「自動で経理」の未処理の明細を片づける
- 同期残高と登録残高が合っているか確認する
- 取引先・品目タグの付け忘れや付け間違いを見る
- 試算表を前月と比べ、必要なら月締めをする
全部を1日でやる必要はありません。ただ、未処理の明細を翌月に持ち越すと、何の支払いだったか思い出せなくなりやすいので、月1回は区切りを付けることをおすすめしています。
毎月の作業手順
口座・カードの明細が取り込めているか確認する
まず、登録している銀行口座・クレジットカードの明細が、月末まで取り込めているかを確認します。
銀行側のログイン情報の変更や、連携の期限切れで、同期が止まっていることがあります。同期が止まったまま作業を進めると、あとで取引が抜けていたことに気づくことになります。
領収書・請求書をファイルボックスに入れる
freeeには、領収書や請求書の画像・PDFを取り込んでおける「ファイルボックス」という機能があります。取り込んだ書類は、取引に添付したり、書類から取引を登録したりできます。
明細だけでは、何を買ったのか、消費税の税率がいくつか、インボイス(適格請求書)かどうかが分からないことがあります。証憑を先に入れておくと、次の「自動で経理」の作業が早くなります。
資料集めと、取引の内容が分かるメモを残すことは、取引をした本人がいちばんよく分かっているため、お客様にお願いしています。
「自動で経理」の未処理の明細を片づける
取り込んだ明細は、「自動で経理」の画面で取引として登録します。
- 毎月同じ支払い(家賃・サブスクリプションなど)は、自動登録ルールで処理されているかを見る
- 初めての相手先の明細は、勘定科目・税区分・取引先・品目を1件ずつ確認して登録する
- 口座から口座への移動は、取引ではなく口座振替として登録する
- 取引として登録しない明細は、「明細を無視」で処理済みにする
同期で取り込んだ明細は削除できないため、不要なものは「無視」で片づける仕組みです。ただ、無視した明細は帳簿に入りません。本来登録すべき明細を無視してしまうと、帳簿の残高が実際と合わなくなる原因になります。無視してよいかどうか迷う明細は、無視せずにメモを付けて残しておく方が安全です。
同期残高と登録残高が合っているか確認する
freeeでは、口座ごとに2つの残高が表示されます。
- 同期残高:銀行やカード会社から最後に取り込んだ明細の残高(実際の残高)
- 登録残高:freeeに登録した取引から計算した、帳簿上の残高
月末時点でこの2つが合っているかを確認します。ずれていれば、登録漏れ、二重登録、無視してはいけない明細の無視、開始残高の設定漏れなどが考えられます。
同期していない口座(現金や、連携していない口座)は、通帳や現金の手元残高と帳簿の残高を比べます。ずれたときの探し方は、会計ソフトの預金残高が通帳と合わないとき、どこから確認する?で順番を整理しています。
取引先・品目タグの付け忘れや付け間違いを見る
取引を登録し終えたら、タグを確認します。
- 買掛金・未払金・売掛金など、残高が残る科目に取引先タグが付いているか
- 品目タグを使うと決めた科目に、付け忘れがないか
- 社内で決めたタグの付け方と違う付け方になっていないか
タグの付け方がばらばらになると、あとで科目の中身を見返したり、前月と比べたりするときに手間がかかります。気になるものは、その月のうちに直しておくと安心です。タグの整え方そのものは、freeeに乗り換えたのに使いづらいと感じるとき、見直したいタグ設定の話をご覧ください。
試算表を前月と比べ、必要なら月締めをする
最後に、試算表を開いて前月と比べます。
- 毎月出ている経費が今月も出ているか(抜けていないか)
- いつもと金額が大きく違う科目がないか
- 仮払金・仮受金・立替金などが残っていないか
パソコンや備品など、金額の大きいものを買った月は、消耗品費のままでよいか、固定資産として台帳に載せるかもこのときに確認しておくと、決算のときに資料を探さずに済みます。買った月にやることはパソコンや備品を買った月に、経理でやることにまとめています。
確認が終わった月は、「月締め」の画面で締めておく方法もあります。締めた期間は、その期間の日付で取引や口座振替の登録・編集・削除ができなくなります。締め方には、月締めの権限を持たないメンバーの記帳を止める「仮締め」と、全員の記帳を止める「本締め」があり、使えるかどうかはプランによって異なります。確認し終えた月を、あとからうっかり動かしてしまうことを防げます。
よくあるつまずき
未処理の明細を「とりあえず登録」してしまう
内容が分からない明細を、とりあえず雑費や仮払金で登録すると、あとで何だったのかを探す手間が増えます。分からないものは、分からないまま登録せず、メモを付けて未処理のまま残しておく方が、月次の確認で見つけやすくなります。
自動登録ルールが古いまま
取引先の名前や支払い方法が変わっても、ルールが古いままだと、違う科目で登録され続けることがあります。「自動で経理」で、自動登録された取引の科目がおかしくないかを時々見てください。
月をまたいで作業がたまる
数か月分をまとめて処理すると、勘定科目や消費税の区分をまとめて直すことになりやすく、かえって時間がかかります。月1回、6つの作業を区切りにするだけでも、たまりにくくなります。
山川事務所ではどこまで支援するか
当事務所では、自動で処理されている取引でも、次の3つは人が確認しています。
- 実際の残高と、会計上の残高
- 取引の内容と勘定科目
- 消費税の区分
通帳・売上・カードなど、日々連携・登録できる取引は、基本的にお客様に一通り計上していただき、月次の確認は事務所が行います。日々の入力のルールは基本的にお客様の運用に合わせますが、交際費など税務上続けて確認したい科目は、品目タグ等の付け方を事務所から指定することがあります。入力していただいた内容もそのまま確定とはせず、月次の確認で勘定科目・税区分・残高を見て、直す必要があるものは事務所で修正または確認します。入力に時間を取られすぎている場合は、記帳代行(別料金)を含めて分担を見直します。
税務顧問の中で、勘定科目や自動登録ルールなど、日々の入力の土台になる設定の整理もご一緒しています。freeeへ乗り換えたあとタグの付け方が決まっておらず運用しづらかった会社で、タグを整理して使うルールを決め、自動登録ルールも順に見直したこともあります。
月締めの機能を使うかどうか、使う場合に誰がいつ締めるかも、固定のルールにはせず、会社の経理の回し方に合わせて決めます。
まとめ
- 毎月やることは、明細の取り込み確認、証憑、未処理明細、残高、タグ、試算表と月締めの6つ
- 不要な明細は「無視」で片づけるが、無視してよいか迷うものは残す
- 同期残高と登録残高を月末で比べる
- 分からない取引は、とりあえず登録せずメモを残す
- 月1回区切りを付けると、たまりにくい
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