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定期同額給与の変更のタイミングはいつ?役員報酬を変更できる3つの場面を解説

法人税

こんにちは。
港区で、個人事業主・中小企業のご相談を中心に対応している税理士の山川です。

役員報酬は、いったん決めたら自由に変えられるものではありません。
ただし、一定の場合には変更できるタイミングがあります。

今回は、役員報酬のうち定期同額給与について、
いつ変更できるのか を3つの場面に分けて整理します。

前回の記事では、役員報酬の基本ルールをまとめています。

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  • 役員報酬(社長の給料)のルールを確認しよう!

定期同額給与とは?

定期同額給与とは、簡単にいうと、

毎月同じ金額を継続して支払う役員報酬

のことです。

国税庁でも、1か月以下の一定期間ごとに支払われ、各支給時期の支給額が同額であるものと整理されています。

つまり、理由なく途中で増やしたり減らしたりすると、その差額部分が税務上の費用として認められないことがあります。

ただし、会社を運営していると、

  • 定時株主総会で見直す
  • 新しい役員が就任する
  • 資金繰りが大きく悪化する

といったこともあります。
そのため、一定の改定タイミングが認められています。


定期同額給与を変更できるタイミングは3つ

定期同額給与の変更タイミングは、大きく分けると次の3つです。

  • 事業年度開始から3か月以内の通常改定
  • 臨時改定事由
  • 業績悪化改定事由

順番に見ていきます。


事業年度開始から3か月以内の通常改定

もっともよく使うのが、この通常改定です。

たとえば、

  • 事業年度:4月から翌年3月
  • 5月の株主総会で決議
  • 6月支給分から役員報酬を変更

このようなケースです。

この場合、事業年度開始から3か月以内の改定なので、定期同額給与として取り扱われやすい形になります。実務でも、毎期の見直しはこのタイミングで行うことが多いです。

参考例

  • 事業年度:4月〜翌年3月
  • 株主総会:5月25日
  • 6月から役員報酬を100万円→150万円に変更

このような改定であれば、通常改定として整理しやすいケースです。


設立した場合はいつ決める?

新しく法人を設立した場合も、役員報酬は早めに決めておく必要があります。

設立直後は、届出や口座開設などで後回しになりやすいのですが、役員報酬も重要な論点です。

設立したばかりの法人では、設立後の早い段階で株主総会などにより役員報酬を決め、議事録を残しておくのが基本です。役員給与に関する国税庁の整理でも、新設法人では設立日以後2か月以内という基準が登場します。

参考例

  • 8月に法人設立
  • 10月から役員報酬を50万円と決定

設立時は、
「いつから支払うか」
「いくらにするか」
「どう記録に残すか」
を早めに整理しておくのが大切です。


役員報酬は議事録を残しておく

役員報酬は、実務上、株主総会や社員総会などで決めて、議事録を残しておくことが大切です。

変更タイミングの話だけでなく、

  • いくらに決めたのか
  • いつから変更したのか
  • どのような理由で変更したのか

が後から見て分かる状態にしておくと安心です。

これは、下で出てくる臨時改定事由や業績悪化改定事由でも同じです。


臨時改定事由

次に、臨時改定事由です。

これは、

  • 新しい役員が就任した
  • 役員の役職や職務内容が大きく変わった

といった場合に認められる改定です。

たとえば、取締役から代表取締役へ変わり、実際の職務内容や責任が大きく変わるようなケースです。

国税庁でも、職制上の地位の変更、職務内容の重大な変更などが臨時改定事由として整理されています。単に肩書だけ変えればよいわけではなく、実態が伴うことが大切です。

ここで気をつけたいこと

肩書だけ変えて、仕事内容がほとんど変わっていない場合は、臨時改定事由として認められにくいことがあります。

また、役職変更があった役員だけが対象です。
関係のない別の役員の報酬まで一緒に変えると、その別の役員については定期同額給与の整理が崩れることがあります。

参考例

  • 8月に新役員が就任
  • 8月の臨時株主総会で決議
  • 8月から役員報酬を100万円と決定

このようなケースでは、新役員について臨時改定事由に当たる可能性があります。

なお、役員報酬には、従業員給与のような日割りの考え方と混同しやすい場面があります。支給ルールの決め方は、事前に整理しておくのがおすすめです。


業績悪化改定事由

3つ目が、業績悪化改定事由です。

これは、会社の経営状況や資金繰りが著しく悪化し、役員報酬を減額せざるを得ないような場合です。
ポイントは、基本的に減額改定の場面だということです。国税庁も、業績悪化改定事由による改定は減額の場合に限ると整理しています。

典型例

  • 銀行と借入金の返済条件見直しを協議している
  • 利害関係者との関係上、役員報酬の減額が必要になった
  • 改善計画に減額が盛り込まれている

このように、第三者との関係や、客観的に見てやむを得ない事情があるケースが典型です。法人税基本通達でも、経営状況が著しく悪化したことなどが該当し得るとされています。

ここで気をつけたいこと

単に

  • 利益予測より少なかった
  • 思ったより資金が残らなかった
  • 目標利益に届かなかった

というだけでは、業績悪化改定事由としては弱いことがあります。

参考例

  • 上期の業績が悪く資金繰りも悪化
  • 銀行とリスケジュールを協議
  • 9月の臨時株主総会で決議
  • 10月から役員報酬を100万円→50万円に減額

こうしたケースは、業績悪化改定事由として整理しやすい場面です。


実務でいちばん多いのは「通常改定」

ここまで3つ見てきましたが、実務でいちばん多いのは、やはり

事業年度開始から3か月以内の通常改定

です。

そのため、

  • 毎期の利益見込み
  • 資金繰り
  • 社長個人の生活費
  • 会社に残したいお金

を踏まえて、期首の段階で決めておくことが大切です。

役員報酬は、あとから「やっぱり変えたい」と思っても自由には動かしにくいテーマです。


まとめ

定期同額給与は、原則として毎月同じ金額で支払う役員報酬です。

ただし、次の3つのタイミングでは変更できる可能性があります。

  • 事業年度開始から3か月以内の通常改定
  • 新役員就任や役職変更などの臨時改定事由
  • 著しい業績悪化による業績悪化改定事由

特に注意したいのは、

  • 利益が出たから自由に増額できるわけではない
  • 見込み違いだけで自由に減額できるわけでもない
  • 議事録などの記録を残しておくことが大切

という点です。

役員報酬は、税務だけでなく資金繰りや経理体制にも関係するため、迷ったら早めに整理しておくと進めやすいです。

役員報酬は、
「いくらにするか」だけでなく、
「いつ変更できるか」
「どう記録に残すか」
まで含めて考える必要があります。

当事務所では、個人事業主・小さな会社の方を中心に、
役員報酬の考え方、クラウド会計の初期設定、経理体制の整理などについてご相談いただけます。

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